業種別 労働災害分析レポート
製造業 / 母集団 926件 (2007年〜2026年)
発行日: 2026年5月16日
発行: ANZEN AI Portal
業種別 事故分析レポート
製造業
機械への巻き込まれ・はさまれが多発する加工現場
Manufacturing ・ 集計期間 2007年〜2026年 ・ 母集団926件 ・ 発行日 2026年5月16日
サマリ
事故事例 合計
926件
厚労省データ+curated事例の合算(2007年〜2026年)
死亡事例
846件
全業種死亡災害の17.4%を占める
休業4日以上 (重傷+中等傷)
78件
業種事例の8.4%(事業者報告義務該当)
前年同期比
-33.3%
2025年 3件 → 2026年 2件
業種特有の危険要因 Top 5
原因 Top 集計と業種ハザード辞書を突き合わせて、業種としてのリスクポイントを抽出。
- 1
物上げ装置、運搬機械
271件 ・ 業種内 24.4%
フォークリフト・クレーン関連。誘導者の配置と接触防止標識を徹底。
- 2
動力機械
190件 ・ 業種内 17.1%
プレス・ローラー・回転体への巻き込まれ。光線式安全装置の作動確認。
- 3
その他の装置等
94件 ・ 業種内 8.5%
その他の装置等に関わる作業手順・教育・点検記録を再確認。
- 4
仮設物、建築物、構築物等
93件 ・ 業種内 8.4%
仮設足場・親綱の不備による墜落。安衛則 第518条〜第533条 をチェック。
- 5
物質、材料
58件 ・ 業種内 5.2%
資材落下や荷崩れ。荷の積み付け・固縛の徹底。
重大事故 Top 5
重傷・死亡を中心に curated 事例から代表的なケースを抽出。詳細ページで再発防止策・関連法令を確認できます。
製造ラインの清掃中に起動した機械に挟まれ死亡(製造業)
食品加工ラインの夜間清掃中、運転停止中のコンベア設備内部に入って詰まった食材を除去していた清掃員(20代男性)が、別のスタッフが誤って起動スイッチを押したために挟まれ死亡。令和8年(1-3月)速報・製造業死亡20人を代表する事例。速報統計から導出した代表事例。
主な原因
- 設備内作業中の施錠(LOTO)手順が清掃員まで徹底されていなかった
- 「清掃中」の表示が電源パネルから離れた場所にのみ設置
- 夜間の清掃業務委託先への安全教育引き継ぎが不十分
有機溶剤蒸気による急性中毒死亡(製造業・塗装工程)
自動車部品塗装工場の密閉作業室で、局所排気装置の故障に気付かないまま有機溶剤(トルエン含有塗料)を使用し続けた作業員(40代男性)が急性中毒で倒れ死亡。室内の有機溶剤濃度が許容濃度の数十倍に達していた。令和7年速報・製造業での有害物接触死亡を代表する事例。速報統計から導出した代表事例。
主な原因
- 局所排気装置の風速低下警報装置が未設置
- 定期自主検査(局排の月次点検)が書類のみで実点検未実施
- 作業者への有機則第33条に基づく教育が形骸化(e-learning 10分のみ)
プレス機の金型交換中に起動スイッチが誤作動、上型に挟まれ死亡(製造業)
金属部品製造工場のプレス機の金型交換作業中、上型と下型の間に手を入れていた作業員(30代男性)が誤起動によるスライドの下降で死亡。金型交換時の電源遮断(LOTO)手順が守られていなかった。令和7年速報・製造業のはさまれ・巻き込まれ死亡を代表する事例(製造業47人)。速報統計から導出した代表事例。
主な原因
- LOTO(ロック・アウト・タグ・アウト)手順の省略(「すぐ終わるから」という慣行)
- 双手操作式安全装置のバイパスが黙認されていた
- 金型交換作業の安全教育が口頭のみで、実技確認なし
石油タンク清掃中に爆発炎上で作業員死傷
石油貯蔵タンクの定期清掃作業中、残留炭化水素蒸気が爆発限界を超えた状態でサンダーが使用されスパークにより爆発炎上し、タンク内作業員2名が死亡。出典: anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen_pg/SAI_DET.aspx?joho_no=103120
主な原因
- タンク内の可燃性ガス濃度測定と不活性化の不十分
- タンク内での火気・スパーク発生源の持込禁止の徹底不足
- 石油タンク清掃の作業許可制度が機能不全
船舶整備中のドライドック内で溺水
船舶修理のドライドック内の浮き桟橋作業中、作業者が水面に転落し救命胴衣を着用していなかったため溺水死亡。出典: anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen_pg/SAI_DET.aspx?joho_no=102026
主な原因
- 水辺作業時の救命胴衣未着用
- 転落防止用手すりの未設置
- 水中救助体制の未整備
事故の型 Top 10
厚労省データを含む業種内全事例から事故型を集計。
- はさまれ、巻き込まれ295件 (31.9%)
- 墜落、転落140件 (15.1%)
- 飛来、落下59件 (6.4%)
- 激突され54件 (5.8%)
- 有害物等との接触53件 (5.7%)
- 崩壊、倒壊46件 (5.0%)
- 交通事故(道路)46件 (5.0%)
- 高温・低温の物との接触37件 (4.0%)
- 火災36件 (3.9%)
- その他34件 (3.7%)
原因 Top 10
厚労省データ+curated事例の mainCauses を統合集計。
- 物上げ装置、運搬機械271件 (24.4%)
- 動力機械190件 (17.1%)
- その他の装置等94件 (8.5%)
- 仮設物、建築物、構築物等93件 (8.4%)
- 物質、材料58件 (5.2%)
- 環境等54件 (4.9%)
- その他43件 (3.9%)
- 荷29件 (2.6%)
- 粉塵爆発リスクの認識不足2件 (0.2%)
- フェイスシールドを着用していなかった2件 (0.2%)
業種特有パターン
事故型 × 原因の組み合わせ頻度。業種で繰り返されているシナリオを示します。
はさまれ、巻き込まれ
動力機械
159件 ・ 業種内 17.2%
はさまれ、巻き込まれ
物上げ装置、運搬機械
112件 ・ 業種内 12.1%
墜落、転落
仮設物、建築物、構築物等
67件 ・ 業種内 7.2%
交通事故(道路)
物上げ装置、運搬機械
46件 ・ 業種内 5.0%
墜落、転落
物上げ装置、運搬機械
37件 ・ 業種内 4.0%
激突され
物上げ装置、運搬機械
34件 ・ 業種内 3.7%
その他
その他
30件 ・ 業種内 3.2%
高温・低温の物との接触
環境等
24件 ・ 業種内 2.6%
業種が抱える典型的なハザード
- プレス機・ローラーへの巻き込まれ
- 回転工具による切創
- 高温・有害物との接触
- フォークリフトとの接触
時間帯・事業所規模
始業帯・残業帯など事故が集中する時間と、事業所規模ごとの分布を集計。
時間帯別 発生比率
- 始業帯 (6:00-10:00)182件 (21.9%)
- 午前 (10:00-12:00)165件 (19.8%)
- 午後 (12:00-18:00)370件 (44.5%)
- 夜間・残業 (18:00-6:00)115件 (13.8%)
厚労省 occurrenceTime(2時間幅)を 4 区分にまとめた業種内の分布。
事業所規模別
- 1〜9人 (零細)184件 (22.1%)
- 10〜49人 (小規模)319件 (38.3%)
- 50〜299人 (中規模)245件 (29.4%)
- 300人以上 (大規模)84件 (10.1%)
安衛法上の「規模別管理者選任義務」のラインで4区分。
月別 発生傾向と季節性
業種内で事故が集中する月と、過去3年の月次推移を比較表示。
92件 ・ 9.9%
残暑による熱中症、台風前後の高所作業
91件 ・ 9.8%
凍結・転倒、暖房関連火災に注意
83件 ・ 9.0%
足元の濡れによる転倒、墜落作業の作業姿勢悪化
月次推移(過去3年)
年単位の事故件数推移を月ベースで比較。季節要因と前年同月比を1画面で読み取れます。
月別 全期間累計
業種累計の月別件数。季節要因(暑熱・降雪・年度切替)の影響を読み取るための分布です。
棒の高さは月内事故件数(業種累計)。最大92件。
年次推移と前年同期比較
業種内の事故件数を年単位で集計。データ収録は年により濃淡があるため、絶対値ではなく構成比の変化を中心に読みます。
頻出 推奨対策(curated 事例ベース)
curated 事例の preventionPoints から頻出度上位を抽出。朝礼・KY・年次計画に転記して使えます。
保護具着用管理責任者の選任と研修
出現1回
SDS から保護具へ自動連動するチェックリスト運用
出現1回
中災防『保護具選定マニュアル』の活用
出現1回
設備内清掃作業前の動力源遮断・施錠(LOTO)を清掃業務委託契約の安全要件に含める
出現1回
「設備内作業中」表示を電源パネル直前に取り付け、さらに物理的インターロックを設置
出現1回
清掃業者切替時には元受が1週間以上の合同作業で安全手順を引き継ぐことを契約化
出現1回
局所排気装置に風速警報器(異常時自動停止インターロック)を設置
出現1回
有機溶剤使用前の空気中濃度測定を第1種有機溶剤使用時は毎回実施
出現1回
有機則に基づく特別教育を入職時+年1回更新でe-learningに加え実地訓練も実施
出現1回
プレス機のLOTO手順を工程標準書に明記、管理者による作業前確認を義務化
出現1回
双手操作式・光線式安全装置の機能確認を始業点検に追加
出現1回
産業安全専門官によるプレス安全診断の年1回実施
出現1回
重大事故予防チェックリスト 30項目
本業種で死亡災害を防ぐためのチェックリスト。6カテゴリ×5項目で構成され、PDF出力でそのまま現場会議資料に使えます。
1. 高リスク作業の事前管理
- 01
プレス・ロボット等の本質安全設計を満たすリスクアセスメントを年1回以上実施している
根拠: 労働安全衛生法 第28条の2 / 機械の包括的な安全基準に関する指針
- 02
金型・刃物交換等の段取替作業は停止確認とインターロック解除手順を文書化している
根拠: 労働安全衛生規則 第107条
- 03
化学物質を取扱う作業はSDSを基にリスクアセスメントを実施・記録している
根拠: 労働安全衛生規則 第34条の2の7
- 04
高温・低温物の取扱作業は防護具・遮へい板の整備と作業手順を確立している
根拠: 労働安全衛生規則 第341条
- 05
粉じん発生工程は局所排気装置と作業環境測定を実施している
根拠: 粉じん障害防止規則 第26条
2. 設備・機械の安全装置
- 06
プレス機・シャー機にはガード・光線式安全装置を設置し、安全プラグの定期点検を行っている
根拠: 労働安全衛生規則 第131条
- 07
コンベア・ロール機の囲い・覆い・非常停止スイッチが機能することを毎日確認している
根拠: 労働安全衛生規則 第151条の82
- 08
フォークリフト・無人搬送車(AGV)の通路は人作業エリアと色別ラインで区分している
根拠: 労働安全衛生規則 第151条の3〜第151条の31
- 09
クレーン・ホイストの吊り具・ワイヤロープを月次点検・年次自主検査している
根拠: クレーン等安全規則 第34条
- 10
局所排気装置(フード・ダクト・排風機)を定期自主検査している
根拠: 有機溶剤中毒予防規則 第20条
3. 教育・資格・指揮命令
- 11
特定機械(プレス・ボイラー等)の特別教育・技能講習修了者を配置している
根拠: 労働安全衛生法 第59条第3項
- 12
化学物質管理者を選任し、SDS交付・取扱手順の見直しを実施している
根拠: 労働安全衛生規則 第12条の5(2024年改正)
- 13
新規配属者には機械操作の実技OJTを実施し、合格後に単独作業を許可している
根拠: 労働安全衛生規則 第35条
- 14
ライン責任者は朝礼・終礼で異常・ヒヤリハットを共有している
根拠: 厚労省「ヒヤリ・ハット活動の進め方」
- 15
毎朝のKY活動で当日の段取替・異常処置のリスクを共有している
根拠: 厚労省「危険予知活動の進め方」
4. 作業環境・整理整頓
- 16
工場通路は5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)の状態を週次でチェックしている
根拠: 労働安全衛生規則 第544条
- 17
切粉・油膜・水濡れによる転倒防止のため、清掃手順と当番制を運用している
根拠: 労働安全衛生規則 第544条第2項
- 18
化学物質保管庫は施錠管理・転倒防止・換気設備を整備している
根拠: 労働安全衛生規則 第325条 / 危険物の規制に関する政令
- 19
騒音80dB超の作業場は標識掲示と聴覚保護具着用を義務付けている
根拠: 労働安全衛生規則 第595条 / 騒音障害防止ガイドライン
- 20
夏季の屋内作業はスポットクーラー・送風機等で熱中症予防を実施している
根拠: 厚労省「職場における熱中症予防基本対策要綱」
5. 保護具・健康管理
- 21
保護メガネ・耐切創手袋・耐熱手袋等を作業に応じて支給し、着用率を点検している
根拠: 労働安全衛生規則 第593条
- 22
有機溶剤・石綿・特定化学物質に対し用途別の呼吸用保護具を支給している
根拠: 労働安全衛生規則 第593条
- 23
雇入時・定期健康診断と特殊健康診断(有機溶剤・特定化学物質)を実施している
根拠: 労働安全衛生規則 第43条〜第45条
- 24
高齢作業者の体力に応じた作業配置・作業時間調整を行っている
根拠: 厚労省「エイジフレンドリーガイドライン」
- 25
ストレスチェックを年1回実施し、高ストレス者に医師面接を提案している
根拠: 労働安全衛生法 第66条の10
6. 緊急時対応・連絡体制
- 26
緊急停止ボタン・避難経路・消火器の位置を作業者全員が把握している
根拠: 労働安全衛生規則 第548条 / 消防法
- 27
化学物質漏えい・火災・爆発の想定訓練を年1回以上実施している
根拠: 労働安全衛生規則 第27条
- 28
労働災害発生時の救護・通報・労基署報告の役割分担を文書化している
根拠: 労働安全衛生規則 第97条
- 29
ヒヤリハット報告制度を運用し、月次で対策を実施・水平展開している
根拠: 厚労省「ヒヤリ・ハット活動の進め方」
- 30
安全衛生委員会を月1回以上開催し、議事録を労働者に周知している
根拠: 労働安全衛生法 第18条
関連法令マッピング
本業種の死亡・重傷事例に対して条文遵守状況を確認すべき主要な労働安全衛生関連法令。
労働安全衛生規則 第101条〜第151条
機械等の覆い・囲い
機械の包括的な安全基準に関する指針
リスクアセスメント
化学物質管理者選任義務(安衛則 第12条の5)
化学物質取扱い
次のアクション
出典: 厚生労働省 職場のあんぜんサイト 死亡災害DB、労働者死傷病報告オープンデータ、編集部 curated 事例(公開情報を匿名化して再構成)。 本レポートは自動集計に基づく参考情報であり、個別案件の判断は所轄労働基準監督署および関係法令を確認してください。