業種別 労働災害分析レポート
運輸業 / 母集団 710件 (2007年〜2026年)
発行日: 2026年5月16日
発行: ANZEN AI Portal
業種別 事故分析レポート
運輸業
荷役・運転中の交通事故と腰痛・転倒が並ぶ
Transport & Logistics ・ 集計期間 2007年〜2026年 ・ 母集団710件 ・ 発行日 2026年5月16日
サマリ
事故事例 合計
710件
厚労省データ+curated事例の合算(2007年〜2026年)
死亡事例
696件
全業種死亡災害の14.3%を占める
休業4日以上 (重傷+中等傷)
13件
業種事例の1.8%(事業者報告義務該当)
前年同期比
-80.0%
2025年 5件 → 2026年 1件
業種特有の危険要因 Top 5
原因 Top 集計と業種ハザード辞書を突き合わせて、業種としてのリスクポイントを抽出。
- 1
物上げ装置、運搬機械
464件 ・ 業種内 61.7%
フォークリフト・クレーン関連。誘導者の配置と接触防止標識を徹底。
- 2
その他
73件 ・ 業種内 9.7%
その他に関わる作業手順・教育・点検記録を再確認。
- 3
その他の装置等
37件 ・ 業種内 4.9%
その他の装置等に関わる作業手順・教育・点検記録を再確認。
- 4
仮設物、建築物、構築物等
33件 ・ 業種内 4.4%
仮設足場・親綱の不備による墜落。安衛則 第518条〜第533条 をチェック。
- 5
荷
31件 ・ 業種内 4.1%
トラック荷台からの墜落
重大事故 Top 5
重傷・死亡を中心に curated 事例から代表的なケースを抽出。詳細ページで再発防止策・関連法令を確認できます。
幹線道路走行中のトラックが路肩作業員に接触(陸上貨物)
高速道路の路肩で車両故障対応中の作業員(30代男性)が後方から走行してきた大型トラックに追突されて死亡。高視認性安全ベストは着用していたが、夜間の視認性に限界があった。令和8年(1-3月)速報・陸上貨物の交通事故道路死亡13人を代表する事例。速報統計から導出した代表事例。
主な原因
- 路肩作業時の後続車への警告(発炎筒・LED警告灯の後方200m以上への設置)が不十分
- 夜間路肩作業の対応をドライバー1名で行う体制
- 道路交通法上の措置義務は果たしていたが、労安法上の措置基準が不明確だった
フォークリフトによる荷降ろし中の下敷き死亡(陸上貨物)
物流センターでフォークリフトが荷物を下ろす際に急停止し、パレット上の荷物が崩れて構内作業員(40代男性)の上に落下して死亡。作業員がフォークリフト作業エリアに立ち入っていた。令和7年速報・陸上貨物のはさまれ・巻き込まれ死亡を代表する事例。速報統計から導出した代表事例。
主な原因
- フォークリフト作業と人員作業の時間・場所分離が不徹底
- 荷物の段積み固定(ストレッチフィルム)が省略されていた
- 立入禁止表示が視認しにくい位置にあり、実効性がなかった
配送ドライバーが交差点右折時に二輪車と衝突し死亡(陸上貨物・交通事故)
宅配便ドライバー(50代男性)が2t車で幹線道路の右折時に直進してきた原動機付自転車と衝突し、二輪車運転者が死亡(業務上過失致死)。配送時間プレッシャーで確認が不十分だった。令和7年速報では陸上貨物運送事業の交通事故(道路)死亡が43人と最多事故型。速報統計から導出した代表事例。
主な原因
- 配送コース設計で右折回避ルートが考慮されていなかった
- 管理者が配送時間目標を無理なく達成できるか実態調査せず
- ドライブレコーダーデータの定期レビューが未実施
陸上貨物運送業の荷卸し中に荷崩れ下敷き(運輸業)
倉庫での荷卸し中、トラック荷台上のパレット積み貨物が荷崩れし、ドライバー1名が下敷きになり死亡。ロールボックスパレットの段積みルールが守られていなかった。
主な原因
- 高さ2m超のロールボックス段積み
- 荷台上での単独作業(合図人不在)
- 緊締具・ストレッチフィルム不足
自動倉庫スタッカークレーンに挟まれ作業員死亡
自動倉庫の自動スタッカークレーンの点検中に、点検者が手順を省略して稼働中のクレーン走行路に立ち入り、走行してきたクレーンと棚の間に挟まれ死亡。出典: anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen_pg/SAI_DET.aspx?joho_no=103400
主な原因
- 自動倉庫内への立入時の機械停止・ロックアウトが未実施
- インターロック(立入検知センサー)の無効化
- 点検作業手順の省略
事故の型 Top 10
厚労省データを含む業種内全事例から事故型を集計。
- 交通事故(道路)256件 (36.1%)
- 墜落、転落134件 (18.9%)
- はさまれ、巻き込まれ77件 (10.8%)
- その他70件 (9.9%)
- 激突され36件 (5.1%)
- 飛来、落下34件 (4.8%)
- 崩壊、倒壊28件 (3.9%)
- 転倒14件 (2.0%)
- 高温・低温の物との接触12件 (1.7%)
- 交通事故(その他)8件 (1.1%)
原因 Top 10
厚労省データ+curated事例の mainCauses を統合集計。
- 物上げ装置、運搬機械464件 (61.7%)
- その他73件 (9.7%)
- その他の装置等37件 (4.9%)
- 仮設物、建築物、構築物等33件 (4.4%)
- 荷31件 (4.1%)
- 環境等22件 (2.9%)
- 動力機械17件 (2.3%)
- 物質、材料12件 (1.6%)
- 路肩作業時の後続車への警告(発炎筒・LED警告灯の後方200m以上への設置)が不十分1件 (0.1%)
- 夜間路肩作業の対応をドライバー1名で行う体制1件 (0.1%)
業種特有パターン
事故型 × 原因の組み合わせ頻度。業種で繰り返されているシナリオを示します。
交通事故(道路)
物上げ装置、運搬機械
255件 ・ 業種内 35.9%
墜落、転落
物上げ装置、運搬機械
87件 ・ 業種内 12.3%
その他
その他
69件 ・ 業種内 9.7%
はさまれ、巻き込まれ
物上げ装置、運搬機械
65件 ・ 業種内 9.2%
墜落、転落
仮設物、建築物、構築物等
25件 ・ 業種内 3.5%
激突され
物上げ装置、運搬機械
20件 ・ 業種内 2.8%
崩壊、倒壊
荷
17件 ・ 業種内 2.4%
飛来、落下
物上げ装置、運搬機械
14件 ・ 業種内 2.0%
業種が抱える典型的なハザード
- トラック荷台からの墜落
- フォークリフト・荷崩れ
- 運行中の交通事故
- 腰痛・反動動作
時間帯・事業所規模
始業帯・残業帯など事故が集中する時間と、事業所規模ごとの分布を集計。
時間帯別 発生比率
- 始業帯 (6:00-10:00)163件 (23.7%)
- 午前 (10:00-12:00)120件 (17.4%)
- 午後 (12:00-18:00)172件 (25.0%)
- 夜間・残業 (18:00-6:00)234件 (34.0%)
厚労省 occurrenceTime(2時間幅)を 4 区分にまとめた業種内の分布。
事業所規模別
- 1〜9人 (零細)132件 (19.2%)
- 10〜49人 (小規模)375件 (54.4%)
- 50〜299人 (中規模)175件 (25.4%)
- 300人以上 (大規模)7件 (1.0%)
安衛法上の「規模別管理者選任義務」のラインで4区分。
月別 発生傾向と季節性
業種内で事故が集中する月と、過去3年の月次推移を比較表示。
71件 ・ 10.0%
凍結・転倒、低体温症リスク
69件 ・ 9.7%
熱中症ピーク、夏季休業前後の引き継ぎ漏れ
68件 ・ 9.6%
凍結・転倒、暖房関連火災に注意
月次推移(過去3年)
年単位の事故件数推移を月ベースで比較。季節要因と前年同月比を1画面で読み取れます。
月別 全期間累計
業種累計の月別件数。季節要因(暑熱・降雪・年度切替)の影響を読み取るための分布です。
棒の高さは月内事故件数(業種累計)。最大71件。
年次推移と前年同期比較
業種内の事故件数を年単位で集計。データ収録は年により濃淡があるため、絶対値ではなく構成比の変化を中心に読みます。
頻出 推奨対策(curated 事例ベース)
curated 事例の preventionPoints から頻出度上位を抽出。朝礼・KY・年次計画に転記して使えます。
高速道路路肩作業は後続に向けLED矢印板+発炎筒を200m後方から設置
出現1回
夜間路肩作業は2名以上で対応し、1名が後続車監視専任
出現1回
道路交通法上の規定に加えて社内路肩作業安全基準(安全距離・装備・人数要件)を整備
出現1回
フォークリフト作業中の人員立入禁止エリアを蛍光ペイントで床面表示+バリゲート
出現1回
荷物の積み付けはストレッチフィルム使用を全パレット化(作業標準書に明記)
出現1回
フォーク作業中の立入検知センサー(動体検知+警報)の設置
出現1回
1 日就労でも安衛則第35条の雇入れ時教育を実質的に実施
出現1回
スポットワーカー入場時の安全動線図交付
出現1回
フォーク作業エリアと歩行者の物理分離
出現1回
右折を避けるルート設計(左折中心)や、信号右折のみに限定するルール化
出現1回
GPS・デジタコデータを活用した速度超過・急制動の月次レビュー
出現1回
交通安全マネジメントシステム(TSMS)導入で全社的な交通リスク管理
出現1回
重大事故予防チェックリスト 30項目
本業種で死亡災害を防ぐためのチェックリスト。6カテゴリ×5項目で構成され、PDF出力でそのまま現場会議資料に使えます。
1. 高リスク作業の事前管理
- 01
荷役作業(トラック荷台・テールゲートリフター等)は安全衛生教育受講者を配置している
根拠: 陸災防「荷役作業安全ガイドライン」/ 安衛則 第151条の70
- 02
高さ2m以上のトラック荷台での作業には昇降設備・墜落制止用器具を準備している
根拠: 労働安全衛生規則 第151条の74
- 03
フォークリフト荷役は無資格者の運転を禁止し、合図者を配置している
根拠: 労働安全衛生規則 第151条の3 / 安衛法 第61条
- 04
長距離運行は改善基準告示の拘束時間・休息時間を遵守している
根拠: 自動車運転者の労働時間等の改善のための基準
- 05
冬季・降雪時の運行可否判断基準と代替ルートを社内で運用している
根拠: 貨物自動車運送事業安全規則 第3条
2. 設備・機械の安全装置
- 06
車両は日常点検・3か月点検・12か月点検を実施し、点検整備記録を保管している
根拠: 道路運送車両法 第48条
- 07
テールゲートリフター使用時は積載重量と取扱手順を遵守している
根拠: 労働安全衛生規則 第151条の20(2024年改正)
- 08
フォークリフトのバックブザー・ヘッドガード・シートベルトを点検している
根拠: 労働安全衛生規則 第151条の14
- 09
ロールボックスパレット・カゴ車のキャスター・止め金具を点検している
根拠: 陸災防「ロールボックスパレットの安全使用」
- 10
車両のドライブレコーダー・デジタコにより速度・運行を管理している
根拠: 貨物自動車運送事業輸送安全規則
3. 教育・資格・指揮命令
- 11
運転者には初任・特別運転・適性診断を実施し記録を保管している
根拠: 貨物自動車運送事業輸送安全規則 第10条
- 12
フォークリフト技能講習修了者のみを運転業務に従事させている
根拠: 労働安全衛生法 第61条
- 13
腰痛予防の作業姿勢教育を年1回以上実施している
根拠: 厚労省「職場における腰痛予防対策指針」
- 14
新人・転入者には先輩運転者の同乗指導を一定期間実施している
根拠: 貨物自動車運送事業輸送安全規則 第10条
- 15
毎朝の点呼で運転者の健康状態・酒気帯び確認・運行内容を確認している
根拠: 貨物自動車運送事業輸送安全規則 第7条
4. 作業環境・整理整頓
- 16
荷物の積み付け基準・固縛方法を文書化し荷崩れを防いでいる
根拠: 労働安全衛生規則 第151条の68
- 17
倉庫内通路は人と車両を区分し、転倒・接触の防止を行っている
根拠: 労働安全衛生規則 第544条
- 18
倉庫の照度・通路幅・段差を点検し、躓きの原因を排除している
根拠: 労働安全衛生規則 第604条
- 19
暑熱環境下の荷役作業はWBGT基準で休憩を確保している
根拠: 厚労省「職場における熱中症予防基本対策要綱」
- 20
凍結・降雨時の荷役は滑り止め対策(敷物・スパイクシューズ等)を講じている
根拠: 労働安全衛生規則 第522条
5. 保護具・健康管理
- 21
ヘルメット・安全靴・反射ベスト等を支給し、夜間作業時は反射材着用を徹底している
根拠: 労働安全衛生規則 第593条
- 22
腰部保護ベルト・荷役補助具を必要に応じて支給している
根拠: 厚労省「職場における腰痛予防対策指針」
- 23
雇入時・定期健康診断と運転者適性診断を実施している
根拠: 労働安全衛生規則 第43条〜第45条
- 24
高年齢運転者には視力・反射神経の確認と作業配分の見直しを行っている
根拠: 厚労省「エイジフレンドリーガイドライン」
- 25
睡眠時無呼吸症候群(SAS)スクリーニング検査を実施している
根拠: 国土交通省「事業用自動車の運転者の健康管理マニュアル」
6. 緊急時対応・連絡体制
- 26
事故発生時の通報・救護・運行管理者連絡の手順を運転者に教育している
根拠: 貨物自動車運送事業輸送安全規則 第18条
- 27
発煙筒・三角表示板・救急セットを車両に常備している
根拠: 道路運送車両の保安基準 第43条の3
- 28
労働災害発生時の労基署報告の責任者を明確化している
根拠: 労働安全衛生規則 第97条
- 29
ヒヤリハット・事故情報を月次で全運転者に共有している
根拠: 厚労省「ヒヤリ・ハット活動の進め方」
- 30
安全衛生委員会または運行管理会議を月1回以上開催している
根拠: 労働安全衛生法 第18条
関連法令マッピング
本業種の死亡・重傷事例に対して条文遵守状況を確認すべき主要な労働安全衛生関連法令。
労働安全衛生規則 第151条の3〜第151条の82
車両系荷役運搬機械
陸上貨物運送事業労働災害防止規程
荷役・墜落防止
改善基準告示
拘束時間・運転労働
次のアクション
出典: 厚生労働省 職場のあんぜんサイト 死亡災害DB、労働者死傷病報告オープンデータ、編集部 curated 事例(公開情報を匿名化して再構成)。 本レポートは自動集計に基づく参考情報であり、個別案件の判断は所轄労働基準監督署および関係法令を確認してください。