技能実習(職種限定・転籍原則不可)
技能実習1号の安全衛生ガイド
Technical Intern Training (i)
入国1年目の技能実習生。技能実習計画に従って職種・作業に限定された実習を行う。派遣禁止。
在留資格の基本
- 在留期間
- 1年以内(在留期間は1年・6月・3月)
- 就労範囲
- 技能実習計画に明記された移行対象職種・作業のみ。事業所変更・職種変更は原則不可。
- 就労制限
- あり
- 転職
- 原則不可
適用される法令
労働基準法
国籍に関わらず適用。賃金・労働時間・休日・年次有給休暇は日本人実習生と同一基準を確保する。
労働安全衛生法第59条・第61条・第66条
雇入れ時教育(第59条)、危険有害業務への特別教育(第59条3項)、就業制限業務の資格確認(第61条)が国籍を問わず適用される。
労働者派遣法
技能実習生の派遣は原則禁止。実習実施者の事業所での直接雇用に限る。
技能実習法第8条・第48条・第49条
実習計画の認定・実施・報告、OTITによる監査、人権侵害行為(旅券取り上げ、私生活制限)の禁止を規定。
最低賃金法
都道府県別地域別最低賃金および特定(産業別)最低賃金は実習生にも適用。
事業主の義務
1. 認定実習計画どおりの実習実施
OTIT認定を受けた実習計画に沿って実習を行う。計画外作業や移行対象外職種への配置転換は技能実習法違反となる。
根拠:技能実習法(第8条・第16条)
2. 母国語または分かる言語での安全衛生教育
雇入れ時教育(安衛法第59条1項)は理解可能な言語で実施し、実習生が内容を理解したことを確認する。やさしい日本語・母国語パンフレットの併用を推奨。
根拠:労働安全衛生法(第59条)
3. 旅券・在留カードの取り上げ禁止
実習生の旅券、在留カード、預貯金通帳、印鑑を会社が保管する行為は禁止。違反は監理団体への許可取消・実習認定取消の対象。
根拠:技能実習法(第48条)
4. 日本人同等以上の報酬
同等の業務に従事する日本人と同等以上の報酬。地域別最低賃金との比較ではなく、同等業務日本人賃金との比較が原則。
根拠:技能実習法(第9条)
5. 監理団体への定期報告・面談受入れ
監理団体による3か月に1回以上の監査・実習生本人面談への協力義務。
6. 労災発生時の報告
労災発生時は労働者死傷病報告(休業4日以上)を遅滞なく労基署へ提出。あわせてOTIT・監理団体への報告も必要。
根拠:労働安全衛生規則(第97条)
労働者の権利
1. 最低賃金以上の賃金
都道府県別最低賃金以上を受け取る権利。違反賃金は労基署または労働局に申告できる。
2. 年次有給休暇
6か月継続勤務・8割出勤で10日付与。請求は所定の手続きで可能で、取得を理由とした不利益取扱いは禁止。
根拠:労働基準法(第39条)
3. 違反申告・通報の権利
労基署、OTIT母国語相談ホットライン、入管庁外国人在留支援センター(FRESC)等に違反を申告できる。
4. 健康診断の受診
雇入れ時健診・定期健診(年1回以上)・特定業務従事者健診を、事業者負担で受診できる。
根拠:労働安全衛生規則(第43条・第44条)
5. 実習実施者変更の権利
実習実施者の倒産・人権侵害・実習困難事案では、監理団体経由で別実習実施者への変更が認められる。
よくあるトラブル事例
言語の壁による作業手順誤解
日本語のみの作業手順書を理解できず、適切な保護具未着用や手順省略による被災が発生する。
対応:やさしい日本語+母国語の対訳教材を併用し、実技指導と確認テストで理解度を確認する。
計画外作業への配置
繁忙期に計画外の職種(例:簡易な清掃・配送)に従事させ、技能実習法違反となるケース。
対応:実習計画記載の作業範囲を現場リーダーに周知。配置転換を要する場合は計画変更申請を先行。
違法な賃金控除
寮費・光熱費・食費の過大控除、罰金的控除(遅刻30分で1時間分など)が発生し賃金不払いとなる事例。
対応:控除は労使協定の範囲・実費の範囲に限定。賃金台帳・控除明細を毎月本人に交付。
出典
- 外国人技能実習機構(OTIT)
- 厚生労働省 技能実習制度運用要領
- 出入国在留管理庁 在留資格『技能実習』