業種別 労働災害分析レポート
建設業 / 母集団 1,670件 (2007年〜2026年)
発行日: 2026年5月16日
発行: ANZEN AI Portal
業種別 事故分析レポート
建設業
墜落・転落・はさまれを中心に死亡災害の最多業種
Construction ・ 集計期間 2007年〜2026年 ・ 母集団1,670件 ・ 発行日 2026年5月16日
サマリ
事故事例 合計
1,670件
厚労省データ+curated事例の合算(2007年〜2026年)
死亡事例
1,601件
全業種死亡災害の32.9%を占める
休業4日以上 (重傷+中等傷)
69件
業種事例の4.1%(事業者報告義務該当)
前年同期比
-50.0%
2025年 6件 → 2026年 3件
業種特有の危険要因 Top 5
原因 Top 集計と業種ハザード辞書を突き合わせて、業種としてのリスクポイントを抽出。
- 1
仮設物、建築物、構築物等
476件 ・ 業種内 24.8%
仮設足場・親綱の不備による墜落。安衛則 第518条〜第533条 をチェック。
- 2
物上げ装置、運搬機械
326件 ・ 業種内 17.0%
フォークリフト・クレーン関連。誘導者の配置と接触防止標識を徹底。
- 3
動力機械
248件 ・ 業種内 12.9%
プレス・ローラー・回転体への巻き込まれ。光線式安全装置の作動確認。
- 4
環境等
245件 ・ 業種内 12.8%
通路・床面・照度などの作業環境。整理整頓と滑り止め対策が基本。
- 5
その他の装置等
145件 ・ 業種内 7.6%
その他の装置等に関わる作業手順・教育・点検記録を再確認。
重大事故 Top 5
重傷・死亡を中心に curated 事例から代表的なケースを抽出。詳細ページで再発防止策・関連法令を確認できます。
令和7年6月施行の熱中症対策直後の死亡災害(建設業)
改正安衛則第612条の2 施行直後の真夏日に、土工事で WBGT 32 超環境下にもかかわらず屋外作業を継続した結果、50代男性が熱中症で死亡。事業者の作業中止判断の遅れが指摘された。
主な原因
- WBGT 31 超での作業中止規程が事業場で未整備
- 新規制(医療搬送体制の整備義務)の周知不足
- 現場代理人の独断による作業継続
建設現場仮設電気設備の感電死亡(建設業)
建設現場の仮設動力盤のブレーカー交換作業中、電気工事士(40代男性)が活線作業中に感電して死亡。活線作業許可(PTW)を取得しておらず、工期短縮を優先して停電を省略した。令和8年(1-4月)速報・建設業死亡事例から。速報統計から導出した代表事例。
主な原因
- 活線作業許可書(PTW)制度の運用が現場で機能していなかった
- 仮設電気設備の停電作業には元請の事前承認が必要だが、口頭了承で処理
- 電気工事士の資格保有者でも活線感電事故が発生している現状の教育不足
マンション大規模修繕足場解体中の墜落(建設業)
分譲マンション大規模修繕工事の枠組足場解体作業中、とび職(50代男性)が外部足場の最上段から地上(約25m)に墜落して死亡。安全帯の掛け替えが必要な場面でフックを外したまま次の作業に移行していた。令和8年(1-3月)速報・建設業死亡39人のうち墜落転落が最多。速報統計から導出した代表事例。
主な原因
- 足場解体最終日の連続作業による疲労で安全行動が省略される傾向
- ダブルランヤードの使用義務(高さ6.75m超)が元請から徹底されていなかった
- 足場解体作業計画書(安衛則第517条の5)が形式的で実際の手順と不一致
建設業の年末繁忙期における高所作業台からの墜落(建設業)
内装工事の年末繁忙期に天井仕上げ作業を行っていた職人(40代男性)が高さ約3mの作業台(脚立足場)から墜落して死亡。繁忙期の「時間切れ」感から手すり設置を省略していた。令和7年建設業の12月の死亡件数が多い傾向(速報月別データより)を代表する事例。速報統計から導出した代表事例。
主な原因
- 脚立足場に手すりを設置しない慣行(「いつもそうしている」)
- 元請による12月集中の安全パトロールが不足
- 作業台の3脚以上の使用禁止ルールが現場に浸透していなかった
重機との接触死亡(建設業・土工事)
造成工事現場で、バックホウが旋回した際に旋回体の後部が誘導員(50代男性)に激突して死亡。誘導員が規定の誘導位置を外れ、旋回半径内に立ち入っていた。令和7年速報・建設業の激突され死亡を代表する事例(建設業22人)。速報統計から導出した代表事例。
主な原因
- 誘導員の位置確認を重機オペレータが行わないまま旋回開始
- 誘導員が旋回後方の死角に入った状態で立ち位置を変更
- 重機作業と人員の混在エリアに物理的バリア(バリケード)未設置
事故の型 Top 10
厚労省データを含む業種内全事例から事故型を集計。
- 墜落、転落593件 (35.5%)
- 崩壊、倒壊164件 (9.8%)
- 交通事故(道路)156件 (9.3%)
- はさまれ、巻き込まれ136件 (8.1%)
- 激突され119件 (7.1%)
- 飛来、落下90件 (5.4%)
- 高温・低温の物との接触69件 (4.1%)
- 転倒44件 (2.6%)
- その他43件 (2.6%)
- おぼれ38件 (2.3%)
原因 Top 10
厚労省データ+curated事例の mainCauses を統合集計。
- 仮設物、建築物、構築物等476件 (24.8%)
- 物上げ装置、運搬機械326件 (17.0%)
- 動力機械248件 (12.9%)
- 環境等245件 (12.8%)
- その他の装置等145件 (7.6%)
- 物質、材料52件 (2.7%)
- その他37件 (1.9%)
- 荷17件 (0.9%)
- 踏み抜き防止板の未使用2件 (0.1%)
- WBGT 31 超での作業中止規程が事業場で未整備1件 (0.1%)
業種特有パターン
事故型 × 原因の組み合わせ頻度。業種で繰り返されているシナリオを示します。
墜落、転落
仮設物、建築物、構築物等
391件 ・ 業種内 23.4%
交通事故(道路)
物上げ装置、運搬機械
153件 ・ 業種内 9.2%
はさまれ、巻き込まれ
動力機械
80件 ・ 業種内 4.8%
墜落、転落
その他の装置等
72件 ・ 業種内 4.3%
崩壊、倒壊
環境等
71件 ・ 業種内 4.3%
高温・低温の物との接触
環境等
65件 ・ 業種内 3.9%
墜落、転落
動力機械
59件 ・ 業種内 3.5%
崩壊、倒壊
仮設物、建築物、構築物等
55件 ・ 業種内 3.3%
業種が抱える典型的なハザード
- 足場・屋根からの墜落
- 重機との接触・はさまれ
- クレーン吊荷の落下
- 土砂崩壊・倒壊
時間帯・事業所規模
始業帯・残業帯など事故が集中する時間と、事業所規模ごとの分布を集計。
時間帯別 発生比率
- 始業帯 (6:00-10:00)354件 (22.9%)
- 午前 (10:00-12:00)333件 (21.5%)
- 午後 (12:00-18:00)751件 (48.6%)
- 夜間・残業 (18:00-6:00)108件 (7.0%)
厚労省 occurrenceTime(2時間幅)を 4 区分にまとめた業種内の分布。
事業所規模別
- 1〜9人 (零細)888件 (57.4%)
- 10〜49人 (小規模)570件 (36.9%)
- 50〜299人 (中規模)82件 (5.3%)
- 300人以上 (大規模)6件 (0.4%)
安衛法上の「規模別管理者選任義務」のラインで4区分。
月別 発生傾向と季節性
業種内で事故が集中する月と、過去3年の月次推移を比較表示。
171件 ・ 10.2%
熱中症・判断力低下による事故、夕立時の濡れ
158件 ・ 9.5%
凍結・転倒、低体温症リスク
158件 ・ 9.5%
残暑による熱中症、台風前後の高所作業
月次推移(過去3年)
年単位の事故件数推移を月ベースで比較。季節要因と前年同月比を1画面で読み取れます。
月別 全期間累計
業種累計の月別件数。季節要因(暑熱・降雪・年度切替)の影響を読み取るための分布です。
棒の高さは月内事故件数(業種累計)。最大171件。
年次推移と前年同期比較
業種内の事故件数を年単位で集計。データ収録は年により濃淡があるため、絶対値ではなく構成比の変化を中心に読みます。
頻出 推奨対策(curated 事例ベース)
curated 事例の preventionPoints から頻出度上位を抽出。朝礼・KY・年次計画に転記して使えます。
改正安衛則第612条の2 に基づく作業中止フローを社内で文書化
出現1回
WBGT 連続計測装置の現場常設
出現1回
医療機関連絡網(搬送先・連絡担当者)の事前周知
出現1回
仮設電気設備の充電部作業は「活線作業等危険作業許可証」発行を必須化
出現1回
分電盤・動力盤の作業は原則停電作業とし、LOTO施錠を元請安全担当が確認
出現1回
電気工事士を含む全作業者に活線感電リスク教育(年1回)+絶縁保護具の定期検査
出現1回
足場解体はダブルランヤード使用と同時付け替え手順を作業計画書に図示で明記
出現1回
足場解体最終日は作業量を通常の70%以下に制限し、疲労管理を行う
出現1回
高さ10m以上の解体は元請安全担当者の常時立会いを義務付け
出現1回
高さ2m以上は移動式足場(ローリングタワー)または枠組足場を使用し脚立足場を原則禁止
出現1回
12月・年度末は元請の安全巡視頻度を月2回→週1回以上に増加
出現1回
高所作業許可書(PTW)制度を導入し、作業前に安全措置を書面確認
出現1回
重大事故予防チェックリスト 30項目
本業種で死亡災害を防ぐためのチェックリスト。6カテゴリ×5項目で構成され、PDF出力でそのまま現場会議資料に使えます。
1. 高リスク作業の事前管理
- 01
高さ2m以上の作業は事前に作業計画書と作業手順書を作成し、当日点呼で読み合わせている
根拠: 労働安全衛生規則 第518条(墜落・転落防止)
- 02
クレーン・移動式クレーン使用時は合図者と運転者を明確化し、立入禁止区域を表示している
根拠: クレーン等安全規則 第74条
- 03
土砂崩壊のおそれがある掘削は事前に地山の点検と土止め支保工計画を確認している
根拠: 労働安全衛生規則 第361条〜第367条
- 04
電気工事・活線近接作業は停電確認と接地・短絡作業を実施している
根拠: 労働安全衛生規則 第339条〜第354条
- 05
酸欠・有機溶剤・粉じんを伴う作業は事前測定と換気・送気マスクを準備している
根拠: 酸欠則 / 有機則 / 粉じん則
2. 設備・機械の安全装置
- 06
足場の組立・解体は作業主任者の指揮下で、毎日の始業前点検を記録している
根拠: 労働安全衛生規則 第567条
- 07
墜落制止用器具(フルハーネス型)を支給し、フックの掛け先・取付設備を毎現場確認している
根拠: 労働安全衛生規則 第518条第2項 / 構造規格
- 08
重機(バックホウ・ダンプ等)の作業半径内に作業員を立ち入らせていない
根拠: 労働安全衛生規則 第158条
- 09
高所作業車・脚立・ローリングタワーは点検記録簿に基づき毎月点検している
根拠: 労働安全衛生規則 第194条の23
- 10
電動工具は使用前にコード絶縁被覆と接地端子の状態を確認している
根拠: 労働安全衛生規則 第333条
3. 教育・資格・指揮命令
- 11
新規入場者教育(KYT含む)を実施し、教育記録を3年間保管している
根拠: 労働安全衛生法 第59条 / 安衛則 第36条
- 12
作業主任者・職長教育の修了者を作業内容に応じて配置している
根拠: 労働安全衛生法 第14条・第60条
- 13
玉掛け・フォークリフト等の有資格者リストを現場に掲示している
根拠: 労働安全衛生法 第61条
- 14
外国人作業員には母国語の教材または翻訳資料を用いて安全教育を実施している
根拠: 労働安全衛生法 第59条 / 厚労省「外国人労働者に対する労働安全衛生教育の進め方」
- 15
毎朝のKY活動(危険予知活動)で当日の作業リスクを共有・記録している
根拠: 厚労省「危険予知活動の進め方」
4. 作業環境・整理整頓
- 16
通路・足場上の資材は整理整頓し、躓きの原因を毎日撤去している
根拠: 労働安全衛生規則 第544条
- 17
雨天・強風時の高所作業中止基準を就業規則または安全衛生計画書に明記している
根拠: 労働安全衛生規則 第522条
- 18
騒音・粉じんが発生する作業区画は標識で明示し、立入を制限している
根拠: 労働安全衛生規則 第585条
- 19
照明不足の作業箇所は仮設照明を設置し、必要照度を確保している
根拠: 労働安全衛生規則 第604条
- 20
暑熱環境ではWBGT測定と作業強度別の作業時間管理を実施している
根拠: 厚労省「職場における熱中症予防基本対策要綱」
5. 保護具・健康管理
- 21
ヘルメット・安全靴・墜落制止用器具を全作業員に支給し、着用状況を職長が点検している
根拠: 労働安全衛生規則 第539条
- 22
粉じん・有機溶剤・石綿に対し用途に合った呼吸用保護具を支給・点検している
根拠: 労働安全衛生規則 第593条〜第599条
- 23
雇入時・定期健康診断を実施し、有所見者には就業区分・保健指導を行っている
根拠: 労働安全衛生法 第66条
- 24
高年齢作業員には体力低下を考慮した作業配分とエイジフレンドリーな職場改善を行っている
根拠: 厚労省「エイジフレンドリーガイドライン」
- 25
メンタルヘルス対応として、月1回以上の声がけ・ストレスチェックを実施している
根拠: 労働安全衛生法 第66条の10
6. 緊急時対応・連絡体制
- 26
緊急連絡網(救急車・最寄り病院・元請)を現場詰所に掲示している
根拠: 労働安全衛生規則 第29条
- 27
AEDの設置場所と使用可能な作業員を周知し、年1回の救急訓練を実施している
根拠: 厚労省「職場におけるAEDの設置促進」
- 28
労働災害が発生した場合の労基署報告(労働者死傷病報告)の責任者を明確化している
根拠: 労働安全衛生規則 第97条
- 29
ヒヤリハット・微傷災害を月次でレビューし再発防止に反映している
根拠: 厚労省「ヒヤリ・ハット活動の進め方」
- 30
請負・下請会社を含めた合同安全衛生協議会を月1回以上開催している
根拠: 労働安全衛生法 第30条(特定元方事業者の措置)
関連法令マッピング
本業種の死亡・重傷事例に対して条文遵守状況を確認すべき主要な労働安全衛生関連法令。
労働安全衛生法 第14条 / 第60条
作業主任者・職長教育
労働安全衛生規則 第518条〜第533条
墜落防止・足場
クレーン等安全規則
玉掛け・吊荷
次のアクション
出典: 厚生労働省 職場のあんぜんサイト 死亡災害DB、労働者死傷病報告オープンデータ、編集部 curated 事例(公開情報を匿名化して再構成)。 本レポートは自動集計に基づく参考情報であり、個別案件の判断は所轄労働基準監督署および関係法令を確認してください。