業種別 労働災害分析レポート
サービス業 / 母集団 1,168件 (2009年〜2025年)
発行日: 2026年5月16日
発行: ANZEN AI Portal
業種別 事故分析レポート
サービス業
転倒・切創・熱中症が幅広い業態で発生
Service Industry ・ 集計期間 2009年〜2025年 ・ 母集団1,168件 ・ 発行日 2026年5月16日
サマリ
事故事例 合計
1,168件
厚労省データ+curated事例の合算(2009年〜2025年)
死亡事例
1,145件
全業種死亡災害の23.5%を占める
休業4日以上 (重傷+中等傷)
22件
業種事例の1.9%(事業者報告義務該当)
前年同期比
-98.9%
2024年 185件 → 2025年 2件
業種特有の危険要因 Top 5
原因 Top 集計と業種ハザード辞書を突き合わせて、業種としてのリスクポイントを抽出。
- 1
物上げ装置、運搬機械
537件 ・ 業種内 43.7%
フォークリフト・クレーン関連。誘導者の配置と接触防止標識を徹底。
- 2
仮設物、建築物、構築物等
187件 ・ 業種内 15.2%
仮設足場・親綱の不備による墜落。安衛則 第518条〜第533条 をチェック。
- 3
環境等
129件 ・ 業種内 10.5%
通路・床面・照度などの作業環境。整理整頓と滑り止め対策が基本。
- 4
動力機械
88件 ・ 業種内 7.2%
プレス・ローラー・回転体への巻き込まれ。光線式安全装置の作動確認。
- 5
その他の装置等
84件 ・ 業種内 6.8%
その他の装置等に関わる作業手順・教育・点検記録を再確認。
重大事故 Top 5
重傷・死亡を中心に curated 事例から代表的なケースを抽出。詳細ページで再発防止策・関連法令を確認できます。
コンバイン巻き込まれ死亡(農業)
稲刈り作業中にコンバインの詰まり除去のためエンジンを停止せずに手を入れた農業従事者(70代男性)が回転部に巻き込まれ死亡。農業機械の操作習慣から「エンジンを切る手間」を省略する傾向があった。令和7年速報・農業のはさまれ死亡を代表する事例。速報統計から導出した代表事例。
主な原因
- 農業機械の詰まり除去時に「必ずエンジン停止」の習慣が定着していなかった
- コンバインの回転刃保護カバーが紛失・破損したまま使用継続
- 高齢農業従事者へのメーカー安全講習参加機会が不十分
スーパー駐車場での配送トラック轢過死亡(商業)
大型スーパーの駐車場内で食品配送トラック(10t)が後退中、店舗従業員(60代女性)を轢過し死亡。駐車場内は構内通路のため「道路交通法」は適用外の私道だったが、安衛則の「構内運搬車」規定の対象。令和7年速報・商業の交通事故死亡43人を代表する事例。速報統計から導出した代表事例。
主な原因
- 後退時の誘導員配置義務が構内規程に明記されていなかった
- 構内通路と歩行者動線の交差点に警報・ミラー未設置
- 外来車両ドライバーへの構内安全ルールの周知(入場教育)が未実施
リフト下の整備中にリフト落下で作業員が下敷きに(自動車整備)
自動車整備工場で2柱リフトに上昇させた乗用車下で作業中、リフトの油圧シリンダーが経年劣化で降下し車両が落下。
主な原因
- 2柱リフトの年次点検を実施していなかった
- 安全ロックバーが未固定のまま作業
- 下降防止用の補助スタンド(リジットラック)不使用
漁船の操業中に甲板から転落し溺死
沿岸漁業の漁船での網揚げ作業中、波に揺られた甲板上でバランスを崩し海中に転落。救助が間に合わず溺死。救命胴衣を着用していなかった。出典: anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen_pg/SAI_DET.aspx?joho_no=103500
主な原因
- 救命胴衣の未着用
- 甲板での転落防止措置(手すり・命綱)が不十分
- 単独作業による発見の遅れ
集材機のワイヤーロープ切断で作業員に直撃
山林での集材作業中、集材機のワイヤーロープが過負荷により突然切断し、切れたワイヤーが鞭のように激しく振れて近くにいた作業員の腹部を直撃し死亡。出典: anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen_pg/SAI_DET.aspx?joho_no=102060
主な原因
- ワイヤーロープの使用限度(断線・摩耗)の確認が不十分
- 集材中の作業員とワイヤーの距離が不適切
- 集材機の過負荷運転
事故の型 Top 10
厚労省データを含む業種内全事例から事故型を集計。
- 交通事故(道路)336件 (28.8%)
- 墜落、転落267件 (22.9%)
- はさまれ、巻き込まれ136件 (11.6%)
- 転倒72件 (6.2%)
- その他70件 (6.0%)
- 高温・低温の物との接触54件 (4.6%)
- 激突され49件 (4.2%)
- 飛来、落下40件 (3.4%)
- おぼれ34件 (2.9%)
- 有害物等との接触28件 (2.4%)
原因 Top 10
厚労省データ+curated事例の mainCauses を統合集計。
- 物上げ装置、運搬機械537件 (43.7%)
- 仮設物、建築物、構築物等187件 (15.2%)
- 環境等129件 (10.5%)
- 動力機械88件 (7.2%)
- その他の装置等84件 (6.8%)
- その他78件 (6.3%)
- 物質、材料22件 (1.8%)
- 荷12件 (1.0%)
- 農業機械の詰まり除去時に「必ずエンジン停止」の習慣が定着していなかった1件 (0.1%)
- コンバインの回転刃保護カバーが紛失・破損したまま使用継続1件 (0.1%)
業種特有パターン
事故型 × 原因の組み合わせ頻度。業種で繰り返されているシナリオを示します。
交通事故(道路)
物上げ装置、運搬機械
327件 ・ 業種内 28.0%
墜落、転落
仮設物、建築物、構築物等
136件 ・ 業種内 11.6%
はさまれ、巻き込まれ
物上げ装置、運搬機械
85件 ・ 業種内 7.3%
その他
その他
63件 ・ 業種内 5.4%
墜落、転落
その他の装置等
51件 ・ 業種内 4.4%
高温・低温の物との接触
環境等
51件 ・ 業種内 4.4%
墜落、転落
物上げ装置、運搬機械
47件 ・ 業種内 4.0%
はさまれ、巻き込まれ
動力機械
47件 ・ 業種内 4.0%
業種が抱える典型的なハザード
- 店舗・厨房での転倒
- 刃物・調理機器による切創
- 屋外作業の熱中症
- 客対応中のハラスメント
時間帯・事業所規模
始業帯・残業帯など事故が集中する時間と、事業所規模ごとの分布を集計。
時間帯別 発生比率
- 始業帯 (6:00-10:00)227件 (20.0%)
- 午前 (10:00-12:00)190件 (16.7%)
- 午後 (12:00-18:00)443件 (39.0%)
- 夜間・残業 (18:00-6:00)277件 (24.4%)
厚労省 occurrenceTime(2時間幅)を 4 区分にまとめた業種内の分布。
事業所規模別
- 1〜9人 (零細)290件 (25.5%)
- 10〜49人 (小規模)568件 (49.9%)
- 50〜299人 (中規模)233件 (20.5%)
- 300人以上 (大規模)47件 (4.1%)
安衛法上の「規模別管理者選任義務」のラインで4区分。
月別 発生傾向と季節性
業種内で事故が集中する月と、過去3年の月次推移を比較表示。
129件 ・ 11.0%
熱中症・判断力低下による事故、夕立時の濡れ
123件 ・ 10.5%
熱中症ピーク、夏季休業前後の引き継ぎ漏れ
97件 ・ 8.3%
足元の濡れによる転倒、墜落作業の作業姿勢悪化
月次推移(過去3年)
年単位の事故件数推移を月ベースで比較。季節要因と前年同月比を1画面で読み取れます。
月別 全期間累計
業種累計の月別件数。季節要因(暑熱・降雪・年度切替)の影響を読み取るための分布です。
棒の高さは月内事故件数(業種累計)。最大129件。
年次推移と前年同期比較
業種内の事故件数を年単位で集計。データ収録は年により濃淡があるため、絶対値ではなく構成比の変化を中心に読みます。
頻出 推奨対策(curated 事例ベース)
curated 事例の preventionPoints から頻出度上位を抽出。朝礼・KY・年次計画に転記して使えます。
農業機械使用前チェックリストに「詰まり時エンジン停止・インターロック確認」を追加
出現1回
JAの営農指導員による農業機械安全点検の年次実施
出現1回
農業機械安全特別教育(農機安全管理士制度)の普及促進
出現1回
構内規程に大型車後退時の誘導員配置を義務付け、運送会社と契約で明記
出現1回
バック走行多発箇所にバックアイカメラ+自動ブレーキ(後退支援)搭載の優先配送車両指定
出現1回
構内入場時のブリーフィングシート(構内地図+危険ポイント)を全ドライバーに交付
出現1回
HV/EV車整備は特別教育修了者のみ実施
出現1回
バッテリー作業前にサービスプラグ取外+5分以上の放電待機
出現1回
絶縁手袋・絶縁マットは作業前に耐圧試験実施
出現1回
薄暮・夜間は反射ベスト+LED発光体を併用
出現1回
誘導位置は規制区間端部から40m以上離隔
出現1回
車両側への事前注意喚起(看板・回転灯)強化
出現1回
重大事故予防チェックリスト 30項目
本業種で死亡災害を防ぐためのチェックリスト。6カテゴリ×5項目で構成され、PDF出力でそのまま現場会議資料に使えます。
1. 高リスク作業の事前管理
- 01
厨房・調理場での刃物・調理機器の作業手順を文書化し新人に教育している
根拠: 労働安全衛生規則 第111条
- 02
高温油・蒸気・熱湯を扱う作業の手順を周知し防護具を支給している
根拠: 労働安全衛生規則 第341条
- 03
ビルメン・清掃の高所作業は墜落制止用器具と昇降設備を整備している
根拠: 労働安全衛生規則 第518条
- 04
屋外清掃・配送・案内業務は熱中症予防のWBGT管理を実施している
根拠: 厚労省「職場における熱中症予防基本対策要綱」
- 05
迷惑客・暴力リスクが高い時間帯・店舗を特定し対応手順を共有している
根拠: 厚労省「カスタマーハラスメント対策」
2. 設備・機械の安全装置
- 06
厨房設備(フライヤー・スライサー・グリドル等)の安全装置と非常停止を点検している
根拠: 労働安全衛生規則 第111条
- 07
脚立・踏み台・カートのキャスターを定期点検している
根拠: 労働安全衛生規則 第544条
- 08
清掃用カートに段差超え用ストッパー・滑り止めを装備している
根拠: 労働安全衛生規則 第544条
- 09
防犯カメラ・通報ボタン・防犯ブザー等の暴力対策設備を運用している
根拠: 厚労省「カスタマーハラスメント対策」
- 10
AED・消火器・緊急照明の点検記録を保管している
根拠: 消防法 / 厚労省「職場におけるAED設置促進」
3. 教育・資格・指揮命令
- 11
新人スタッフには店舗ごとのKY・接客対応訓練を実施している
根拠: 労働安全衛生法 第59条
- 12
厨房・清掃の特別教育(必要な作業のみ)を実施している
根拠: 労働安全衛生法 第59条第3項
- 13
暴力・ハラスメント対応のロールプレイ研修を実施している
根拠: 労働施策総合推進法 第30条の2
- 14
ハラスメント・暴力被害の相談窓口を設置し周知している
根拠: 労働施策総合推進法 第30条の2
- 15
毎朝のKY・ミーティングで当日のリスクを共有している
根拠: 厚労省「危険予知活動の進め方」
4. 作業環境・整理整頓
- 16
床面の濡れ・段差・障害物を清掃・整理し転倒原因を排除している
根拠: 労働安全衛生規則 第544条
- 17
厨房床の油・水濡れに対し滑り止め床材・防滑靴を運用している
根拠: 労働安全衛生規則 第544条第2項
- 18
化学洗剤・薬品の保管庫を施錠管理し換気を確保している
根拠: 労働安全衛生規則 第325条
- 19
夜間営業店舗・無人時間帯の防犯対策(複数勤務・現金管理)を運用している
根拠: 厚労省「カスタマーハラスメント対策」
- 20
屋外作業・厨房は熱中症予防の冷風機・水分補給場所を確保している
根拠: 厚労省「職場における熱中症予防基本対策要綱」
5. 保護具・健康管理
- 21
耐切創手袋・耐熱手袋・滑りにくい靴等を業務に応じて支給している
根拠: 労働安全衛生規則 第593条
- 22
化学洗剤を扱う場合は保護メガネ・耐薬品手袋を支給している
根拠: 労働安全衛生規則 第594条
- 23
雇入時・定期健康診断(食品衛生従事者は検便含む)を実施している
根拠: 労働安全衛生規則 第43条 / 食品衛生法
- 24
高齢・短時間労働者にも健康診断・教育を漏れなく実施している
根拠: 労働安全衛生法 第66条 / 短時間労働者の活躍推進指針
- 25
メンタルヘルス相談窓口・EAPを設置し利用方法を周知している
根拠: 労働安全衛生法 第66条の10
6. 緊急時対応・連絡体制
- 26
緊急連絡網(消防・警察・本部)を店舗・現場に掲示している
根拠: 労働安全衛生規則 第29条
- 27
火災・暴力被害発生時の通報・避難・救護訓練を年1回以上実施している
根拠: 消防法 / 厚労省「カスタマーハラスメント対策」
- 28
労働災害発生時の労基署報告の責任者を明確化している
根拠: 労働安全衛生規則 第97条
- 29
ヒヤリハット・カスタマーハラスメント事案を月次で集約し再発防止に反映している
根拠: 厚労省「カスタマーハラスメント対策」
- 30
安全衛生委員会または店舗連絡会を月1回以上開催している
根拠: 労働安全衛生法 第18条
関連法令マッピング
本業種の死亡・重傷事例に対して条文遵守状況を確認すべき主要な労働安全衛生関連法令。
労働安全衛生規則 第544条〜第548条
通路・床面
労働基準法 第64条の3
妊産婦・年少者の就業制限
職場における熱中症予防基本対策要綱
屋外・厨房作業
次のアクション
出典: 厚生労働省 職場のあんぜんサイト 死亡災害DB、労働者死傷病報告オープンデータ、編集部 curated 事例(公開情報を匿名化して再構成)。 本レポートは自動集計に基づく参考情報であり、個別案件の判断は所轄労働基準監督署および関係法令を確認してください。